波動関数を表現する関数は多い。ここでは代表的なガウス関数を用いた表現を学んでいきたい。
における波動関数が、
のようなガウス関数(ガウシアン)の形を取っているときのフーリエ変換を計算する。ここで、係数 は波動関数の規格化定数である。
1. フーリエ変換する
フーリエ変換 は、
指数部分を に関して平方完成すると、
のようになる。最後の行では、と置いた。積分変数の変換により、
となる。積分区間はであるので、平方完成した式と合わせると、式(1)は
のように変形できる。最後の行では、の積分に関係しない指数関数を積分の前に出した。残った積分は有名な積分(詳細は「exp(-ax^2)の積分」)であり、
で与えられる。したがって、のフーリエ変換 は
で与えられる。この結果を見ると、のフーリエ変換もまたガウス関数になることが分かる。重要なこととして、一般的にガウス関数のフーリエ変換もまたガウス関数となる。その対応の図的な理解はデルタ関数・ガウス関数のフーリエ変換の項目でまとめた。