よく知られているように、デルタ関数 は超関数である。
1. 定義
上記のように通常の関数とは違い、定義としては
が用いられる。
ここで、とすれば、
となる。これは、デルタ関数のフーリエ変換が1になるというこである。大雑把に言ってしまえば、1の逆フーリエ変換はデルタ関数になる。
したがって、
のようなフーリエ変換の関係があるように思われる。絵で描いてみると下のようになる。
2. ガウス関数との関連
補足的に、ガウス関数(ガウシアン)についてつけ加えるとの絵は下のようになる。
ガウス関数(型)のフーリエ変換に関する詳細な計算は「項目:ガウス関数で表された波動関数のフーリエ変換」でまとめた。左が実空間、右が逆空間(空間)である。ガウス関数の指数部におけるはガウス関数の幅を表している。実空間(左図)で、幅が鋭い(の小さい)ガウス関数を与えれば、逆空間(右図)のガウス関数の幅は広がる。
の極限は幅を無限に小さくする、すなわち、実空間のガウス関数をデルタ関数に近づけると、逆空間におけるガウス関数はの“1”に近くであろう。
だから何?と思うかもしれないが、これは量子力学における不確定性原理を表している。運動量は逆空間(空間)で与えられ、位置は実空間で与えられる。いま、ガウス関数の幅が不確定性を与える。つまり、位置が分かるということはガウス関数の幅を0にするということで、運動量は無限の幅をもったガウス関数”1”となり、運動量を決めることができないのである。
デルタ関数およびガウス関数のフーリエ変換は、イメージとして覚えておくと実用的で便利である。
[1] これはフーリエ変換・逆フーリエ変換が可能かどうかを考えないで、進めているのでかなり乱暴である。それにもかかわらず、物理学などで現れるこの関係は非常に有益である。より数学的な扱いを求めるのであれば、他文献の参照をお願いしたい。