関数を余弦(cos)と正弦(sin)に展開する問題である。
例題
で周期的な以下の関数
をフーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数に展開せよ。
1. 方針
余弦級数/正弦級数
のグラフは下図(a)のように周期的な
のグラフになる。

フーリエ正弦級数・余弦級数の問題は以下のように考える。
- 正弦級数:図(b) のように奇関数になるように折り返し
- 余弦級数:図(c) のように偶関数になるように折り返し
を考えれば良い。
フーリエ級数展開/フーリエ係数
フーリエ級数で基本的に使うのは三角関数の直交性である。
三角関数の直交性
2. 解答
1. フーリエ余弦級数に展開
区間を から
にしてやる。
ここで、
となる。具体的なフーリエ係数は
※この例題の のように特殊な場合は、フーリエ係数を求めるための積分計算は不要である。もちろん、積分計算をしても同様の結果を得る。
2. フーリエ正弦級数に展開
上の図(b) のように、奇関数になるように折り返すと、
である。これをフーリエ級数展開すればよい。
が奇関数であるため、奇関数の
のみで展開できる(正弦級数)。両辺に
をかけて、
で積分する。
は偶関数である。したがって、
また、 のとき:
以上よりフーリエ係数は、
のフーリエ余弦級数は、
※ は連続する3つの奇数。
3. まとめ
フーリエ余弦級数・正弦級数の問題は範囲を広げて折り返せば良い。