ここでは、全微分の形がどうか調べる方法を学ぶ。 応用として、完全微分型の微分方程式を解く上で非常に重要である。
ある関数が全微分になっているか調べるためには、以下の条件を用いると良い。
ポイント
が
の全微分
であるための必要十分条件は
が成立することである。
ある関数
が


が成立することである。
1. 全微分の定義
2変数関数の場合の全微分の形をまとめておく。 の全微分は以下のように
の偏微分によって表される。
ポイント
これは基本なのでおさえておく。
2. 証明
必要条件、十分条件についてそれぞれ証明していく。
必要条件
が
の全微分 (
) のとき、
となることを示す。
【証明】
について、 が独立であるため
のとき
上を で偏微分、下を
で偏微分して
となる。
したがって、
となる。
十分条件
のとき は
の全微分(
)になることを示す。 何の関数になっているかに注意して証明していく(
など)。
【証明】
が成立する。
このとき、
とおく。 で偏微分して
を得る。
これをさらに、 で偏微分して
となる。
でまとめる。
で偏微分して0になるため、カッコの中は
を含まない
のみの関数である。よって
とおく。
ここで
とおく。
このとき
となる。したがって、
となる。
3. まとめ
完全微分型の微分方程式を学ぶときに、ここの内容を思い出してあげて。