以下のベルヌーイ型と呼ばれる微分方程式(Bernoulli differential equation)の解法を説明する。 特徴は、左辺は線形型に見えるが右辺に
が含まれることである。
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このタイプは
とおけば線形型に帰着して解くことができる。 解き方を学び、例題を使ってベルヌーイ型を攻略しよう。

1. ベルヌーイ型の構造
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について
とおけば解ける理由やその発想の経緯を追っていこう。 ここは、「とにかく問題だけ解ければ良い」という方は飛ばしてもらって良い。
線形型に帰着することを確認する
によってベルヌーイ型は線形型に帰着する。
このことを確かめておこう。
両辺を微分して
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となる。したがって、
を作るために もとの微分方程式の両辺に
をかける。

たしかに線形型に帰着する。これの一般解は
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であった。これを覚えてはならないという話は、以前で説明した通りである。 覚えてもどうせ間違うので、線形型の一般解は導けるようにしておくべきである。
*
に直すためには
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としておけば良い。
この変数変換はどこから?
の変換がどこからやってきたかを簡単に説明しておく。
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について、
のときは線形型なので解くことができる。
ベルヌーイ型 → 線形型
とするために、じゃまになっているのは
である。 なんとか適当な変数変換により
を消してしまいたいのである。
の形でうまくいくかチェックしよう。
つまりこの変数変換により、「線形型」や「変数分離型」などよく知られたパターンに落とし込めるかを考える。
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であるため、
微分方程式の両辺に
をかけて

となる。
左辺が線形型に似ているものの、右辺に
があり線形ではない。したがって、右辺の
を消すために
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とすればよい。このように
をおくと、右辺の
は消えて微分方程式は線形型に帰着するのである。
そういうわけで
とおけば良い。
解法まとめ
ベルヌーイ型の微分方程式が解けるかどうかは、初めの変数変換の仕方を覚えているかどうかで決まる。以下、ベルヌーイ型の解法をまとめておく。
ベルヌーイ型の微分方程式
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などの形なら
の形にしておく
とおく- 上を両辺を
で微分:
- 微分方程式の両辺に
をかけて、
をつくる - 線形型に帰着するため、
に関する微分方程式を解く
によって
の形に直す
2. 例題の解答
以下、
は定数である。 線形型を解くときは「公式を覚えず解く1次線形型微分方程式」の流れで解いている。 各自自分の方法が解きやすい方法で解くのが良い。
例題(1)の解答
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のベルヌーイ型。
とおき、微分する。
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をつくるため、微分方程式の両辺に
をかける:

の線形型に帰着する。 次に、線形型を解いていく。
両辺にかけるもの:
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微分方程式の両辺に
をかける:
![Rendered by QuickLaTeX.com \begin{eqnarray*} &&\frac{1}{x^8}z'-\frac{8}{x^9}z=\frac{4}{x^6}\\\\ \Leftrightarrow \quad&&\frac{d}{dx}\left[\frac{z}{x^8}\right]=\frac{4}{x^6}\\\\ \Leftrightarrow \quad&& \frac{z}{x^8}=\int \frac{4}{x^6}\,dx=-\frac{4}{5}x^{-5}+C\\\\ \Leftrightarrow \quad&& z=-\frac{4}{5}x^3+Cx^8 \end{eqnarray*}](https://batapara.com/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-7e43f7aef8fe6655462b6e95cf08ed95_l3.png)
の形にもどす:

*答えは下の形でもよい。
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例題(2)の解答
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を変形して
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のベルヌーイ型である。
とおき、微分する。
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をつくるため、微分方程式の両辺に
をかける:

の線形型に帰着する。
次に、線形型を解いていく。
両辺にかけるもの:
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微分方程式の両辺に
をかける:

の形にもどす:
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* 答えは下の形でも良い。
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例題(3)の解答
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のベルヌーイ型。
とおき、微分する。
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をつくるため、微分方程式の両辺に
をかける:

の線形型に帰着する。
次に、線形型を解いていく。
両辺にかけるもの:
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微分方程式の両辺に
をかける:

の形にもどす:
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* 答えは下の形でも良い。
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3. まとめ
ベルヌーイ型の微分方程式を解いてきた。
の置き方さえマスターしておけば、あとはなんとでもなるだろう。 線形型に帰着するため、線形型の微分方程式の解き方は習得しておかなければならない。