【微分方程式】例題で学ぶ「変数分離形」の解法


ここでは、「変数分離形」の微分方程式を例題を使って学習する。いろいろな微分方程式がこのタイプに帰着することがあるので、解けるようにしておきたい。


例題

次の変数分離形の微分方程式を解いて、一般解を求めよ。

    \begin{eqnarray*} &&(1)\quad\frac{dy}{dx}=\frac{y}{x}\\ &&(2)\quad\frac{dy}{dx}=\frac{y}{x^2+1}\\ &&(3)\quad\frac{dy}{dx}=x^2 y^2\\ \end{eqnarray*}




1. 変数分離形

 よく出てくるタイプなので絶対におさえておくこと。


変数分離形とは何か

 変数分離形は下のようなタイプで、xy を分離できる。

変数分離形の形


    \begin{eqnarray*} \frac{dy}{dx}=f(x)g(y) \end{eqnarray*}


 この微分方程式の右辺は見ての通り、 x のかたまりと y のかたまりに分けることができる。


例:

    \begin{eqnarray*} &&\frac{dy}{dx}=\frac{y}{x}\\ &&\frac{dy}{dx}=(x^2+1)(y^2+1)\\ &&\frac{dy}{dx}=\frac{1}{x^2-1}\\ &&\frac{dy}{dx}=e^{2y} \end{eqnarray*}

f(x),g(y)定数の場合もある。

 したがって、

    \begin{eqnarray*} &&\frac{dy}{dx}=C\cdot g(y) \\\\ &&\frac{dy}{dx}=f(x)\cdot C \end{eqnarray*}

もまた変数分離形の仲間であり、ここで学ぶ解法が使える。


変数分離形の解き方

 あたかも dy,dx項であるかのように、 与えられた式を変形しよう。

    \begin{eqnarray*} \frac{dy}{dx}&=&f(x)g(y)\\\\ \frac{\textcolor{red}{dy}}{g(y)}&=&f(x)\textcolor{red}{dx} \end{eqnarray*}

 両辺に積分記号をつける。

    \begin{eqnarray*} \int \frac{dy}{g(y)} = \int f(x) \,dx \quad\blacksquare \end{eqnarray*}


 これが変数分離形の解き方である。

変数分離形の解き方

y に関する式は左辺に、x に関する式は右辺に集めれば良い。そのあと両辺を積分して解を求める。

式変形では、あたかも dy,dx が項であるかのように扱う。


* dy/dx を一つの項として扱うのであれば、

    \begin{eqnarray*} \frac{1}{g(y)}\,\frac{dy}{dx}=f(x) \end{eqnarray*}

と変形して、両辺を x で積分すれば、

    \begin{eqnarray*} \int \frac{1}{g(y)} \,\frac{dy}{dx}\, dx=\int f(x) \,dx \end{eqnarray*}

となり、

    \begin{eqnarray*} \int \frac{dy}{g(y)} = \int f(x) \, dx \end{eqnarray*}

に一致する。


2. 例題の解答

 ここではあたかも dx,dy を独立な項であるかのように書いて解答する。


例題(1)の解答

    \begin{eqnarray*} \frac{dy}{dx}&=&\frac{y}{x} \\\\ \frac{dy}{y}&=&\frac{dx}{x}\\\\ \int \frac{dy}{y}&=&\int \frac{dx}{x}\\\\ \log |y|&=&\log |x| + C' \end{eqnarray*}

ここで絶対値に注意する。また、不定積分の C' を忘れない。

\log を外す。

    \begin{eqnarray*} |y|&=&e^{\log|x|+C'}\\\\ &=&e^{\log|x|}\,e^{C'}\\\\ &=&e^{C'}|x| \end{eqnarray*}


絶対値を外す。

    \begin{eqnarray*} y&=&\pm e^{C'}x\\\\ &=&Cx\quad(C\equiv \pm e^{C'})\quad\blacksquare \end{eqnarray*}

* 最後の行で定数 CC' を用いて置いた。 ここで C0を含めたすべての実数をとる。 というのも C=0 に対応する y=0 は元々の微分方程式の解になっているからである。


例題(2)の解答

    \begin{eqnarray*} \frac{dy}{dx}&=&\frac{y}{x^2+1}\\\\ \frac{dy}{y}&=&\frac{dx}{x^2+1}\\\\ \int \frac{dy}{y}&=&\int \frac{dx}{x^2+1}\\\\ \log |y| &=& \tan^{-1} x + C' \end{eqnarray*}


\logをとって、絶対値を外す:

    \begin{eqnarray*} |y|&=&e^{\tan^{-1} x+C'}\\\\ &=&e^{C'}e^{\tan^{-1} x}\\\\ \therefore \quad y&=&Ce^{\tan^{-1}x} \quad(C=\pm e^{C'})\quad\blacksquare \end{eqnarray*}

* CC=0 を含むすべての実数である。C=0 に対応する y=0 はもともとの微分方程式の解になっている。


例題(3)の解答

    \begin{eqnarray*} \frac{dy}{dx}&=&x^2y^2\\\\ \frac{dy}{y^2}&=&x^2 dx\\\\ \int \frac{dy}{y^2}&=& \int x^2 dx\\\\ -\frac{1}{y}&=& \frac{1}{3}x^3 + C' \end{eqnarray*}

C' はすべての実数。

y= の形に直しておく。

    \begin{eqnarray*} y&=&\frac{-1}{\frac{1}{3}x^3+C'}\\\\ &=&\frac{3}{-3C'-x^3}\\\\ &=&\frac{3}{C-x^3}\quad(C=-3C')\quad\blacksquare \end{eqnarray*}


* 得られた y を微分してチェックすることは計算ミスを防ぐ上で重要である。

    \begin{eqnarray*} \frac{d}{dx}\left[\frac{3}{C-x^3}\right] &=&\frac{9x^2}{(C-x^3)^2}\\\\ &=&x^2 \left(\frac{3}{C-x^3}\right)^2\\\\ &=&x^2 y^2 \end{eqnarray*}

確かに、微分方程式を満たす。


3. まとめ

 変数分離形の解法は、最も基本的な微分方程式の解き方のひとつである。 より難しい微分方程式も、変数分離形に帰着させて解くといったことが頻繁にあるため、 変数分離形はマストで解けるようにしておかなければならない。



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