2つの三角定規を組み合わせてでいろいろな角度をつくる。どんな角度が作れて、どんな角度がつくれないかを調べる。具体的にいろいろ作ってみた。そして整数に置き換えて考えてみたり、もっと多くの三角定規でもっと多くの組み合わせを考えてみたい。
1. 2個の定規で遊ぶ
“+”:角度の和で作った角度
“ー”:角度の差で作った角度
を表す。15度刻みで様々な角度をつくることができた。180度以上の角度は、180度以下の角度で表すことができる。例えば、225度の場合は、(360ー225)度=135度を用いて図のように作られる。
本当に165度は作れないのだろうか。
否、作れる。
2. 165度を作る
結論から述べると165度を作るためには、
- 「外角」を使う
- 3個の3角定規を使う
必要がある。
2.1 外角を使う
ここまでは和と差で角度を作ってきた。しかし、「外角」の概念を使えばもっと自由に角度を作ることができる。したがって、165度=(180ー15)度 をつくるためには、15度の外角を利用すればいい。つまり、下図のようにすれば良い。
外角を使えば、135度や150度も45度や30度で表すことができる。
2.2 3個の定規使う
この方法では、外角は不要である。3個の定規を使えることで表現の自由度が増えた。165度については下のように作れる。
以上のように「外角」を使うか、3個の三角定規を使えば、0から15度刻みで360度まで表すことができる。
3. 簡単な整数にして遊ぶ
ここからはお遊びである。上記の三角定規の問題をシンプルな整数問題としてみよう。三角定規の角度は 30度、45度、60度、90度 ですべて15の倍数である。ここでは、三角定規の角度を簡単な整数に置き換える。つまり、
[30, 60, 90] —> [2, 4, 6]
[45, 45, 90] —> [3, 3, 6]
と簡略化して、整数問題(というほど高級でもない)に帰着する。
2つの三角定規の場合(外角は使わない)
問題は、
“[0,2,4,6] と [0,3,6] ([3,3,6]) から数字を1つずつ選び和か差をとって、1から12までの整数を作り方”
を求めることである。作り方の組み合わせは表のようになる(”0”は三角定規を使わないを意味する。)。
求める整数 | |||
1 | 3 | ー | 2 |
1 | 3 | ー | 4 |
2 | 0 | + | 2 |
2 | 6 | ー | 4 |
3 | 3 | + | 0 |
3 | 6 | ー | 3 |
4 | 0 | + | 4 |
4 | 6 | ー | 2 |
5 | 3 | + | 2 |
6 | 0 | + | 6 |
6 | 6 | + | 0 |
7 | 3 | + | 4 |
8 | 6 | + | 2 |
9 | 3 | + | 6 |
10 | 6 | + | 4 |
11 | |||
12 | 6 | + | 6 |
漏れがあるといけないのでPythonコードを用いて計算してもらった。どう頑張っても外角なしでは鬼門である165度に対応する11はつくれない。11以外の16個について対応する三角形は、この記事の一番初めに示した図に載せている。
3つの三角定規の場合(外角、差は使わない)
使う定規は、上記の2つの定規に[30, 60, 90] の定規か[45, 45, 90]の定規を追加した以下の、
[30, 60, 90] —> [2, 4, 6]
[45, 45, 90] —> [3, 3, 6]
[30, 60, 90] or [45, 45, 90] —> [2,3,4,6]
を考える。差を使うと組み合わせが多くなるため、単に和のみで表現できるものを考える。[2,3,4,6] はUNOでいうワイルドカードである。ドロー4があればとこの問題にゲーム性が出る。
問題は、
“[2,4,6] 、[3,6]、 [2,3,4,6] から数字を1つずつ選び和をとって、1から12までの整数を作り方”
を求めることである。
“0”(定規を使わない)を入れると、2個の定規の表と同じ組み合わせのものができるため、”0”は考えない。3つの和の場合も機械が計算してくれた。できた表は下の通りである。
求める整数 | |||||
7 | 3 | + | 2 | + | 2 |
8 | 3 | + | 2 | + | 3 |
9 | 3 | + | 2 | + | 4 |
10 | 3 | + | 4 | + | 3 |
10 | 6 | + | 2 | + | 2 |
11 | 3 | + | 4 | + | 4 |
11 | 3 | + | 6 | + | 2 |
12 | 3 | + | 6 | + | 3 |
12 | 6 | + | 2 | + | 4 |
上述したとおり、3つの定規があれば、鬼門であった165度に対応する11についても作ることができる。結局、
あるいは
で作れる。この2つは先ほど示した以下のパターンである。
3つの定規の場合の表を見れば、150度なども3つの定規を組み合わせて作れることが確認できる。いろいろ試してみてほしい。
4. 4個以上の定規を使っちゃう
最後に4つ以上の定規を使った場合を計算してみた。結果は以下の通り。
求める整数 | |||||||||||
9 | 3 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | ||||
10 | 3 | + | 2 | + | 2 | + | 3 | ||||
11 | 3 | + | 2 | + | 2 | + | 4 | ||||
11 | 3 | + | 2 | + | 3 | + | 3 | ||||
12 | 3 | + | 2 | + | 3 | + | 4 | ||||
12 | 6 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | ||||
11 | 3 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | ||
12 | 3 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | + | 3 | ||
12 | 2 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | + | 2 | + | 3 |
5. まとめ
これ以上定規を増やしても、机が散らかるだけである。180度以上を作ることを考えたらもっと大変になる。
お読みいただきありがとうございました。