【参考書】固体物性 おすすめ書籍


 固体物性を学ぶための書籍を紹介します。大学1-4年生くらいを対象に書いています。学習は、入門書+名著が良いと思います。


1. 固体物性

 固体の物理は内容が多岐に渡るため、必要な基礎的な内容も膨大になります。学習のためには以下の方針で学習するのがよろしいと思います。

  1. 入門書で固体物性の概観を知る
  2. 名著で細かい点を理解する

 ここではガチガチの量子力学の書籍は紹介しないです。しかし、井戸型ポテンシャルのシュレディンガー方程式の解き方くらいは知っているほうがよいです。

 最終的に、網羅的に書かれた本では内容が足りないと思います。そのときは、「半導体」「超伝導」「バンド理論」など自分の関わる各論について、重点的に書かれている本で学習すべき。



2. 参考書

 いきなりキッテル、アッシュクロ、グロッソなどの名著を読もうとすると挫折する人もいるかもしれないため、これらの本の理解を助ける固体物性の入門書を紹介しておきます。



2.1 入門書:名著への橋渡し

【初歩から学ぶ固体物理学】



 学生向けに書かれているため、わかりやすいです。固体物性に必要な量子力学の基礎内容や、フェルミ分布・ボーズ分布などの統計力学についても書かれています。



【物性論―固体を中心とした】



 よくまとめられた教科書になります。固体物性の概観を知るためには良い本です。



2.2 入門書:電子論

【金属電子論〈上〉・〈下〉】



 (上) は、結晶中の電子物性に関して知りたい方のための、基礎内容が盛り込まれた入門的な教科書。(下) は、超伝導、強相関系、アモルファスなどを含む発展的な内容。



2.3 名著

【キッテル〈上〉・〈下〉/固体物理学演習】



 実用的な名著で、別冊の演習問題もある。



【アッシュクロフト・マーミン〈上Ⅰ〉・〈上Ⅱ〉・〈下Ⅰ〉・〈下Ⅱ〉】



 上下2冊ずつの4冊ある名著。「上1:固体電子論概論」と「上2:固体のバンド理論」が物性理論のための基礎的な内容になる。下の2冊は応用的。



【グロッソ・パラビチニ〈上〉・〈中〉・〈下〉】



 上中下の3冊から成る、比較的新しい名著。(上)で電子論の基礎について理論的に学ぶことができる。



3. まとめ

 「入門書」–> 「名著」 –> 「各論」

あるいは

 「入門書」 –> 「各論」

で学習するのがいいでしょう。

 また、名著は英語版の翻訳なので、訳がわかりにくいところは英語版を参考にするのがよいと思います。名著は研究用に持っておくのが良いです。



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