【確率漸化式】正四面体の点の移動を図解(高校数学)


 確率漸化式でよくある問題として、正四面体の点の移動を図解する。例題は以下の通り。

例題


  • 四面体ABCDの頂点を移動する点がある
  • 1秒ごとに隣り合う頂点へ1/3の確率で移動する
  • n秒後に点が頂点Aにいる確率を p_n とする
  • はじめ(0秒)のときには点は頂点A (p_0=1)
このとき、以下の問いに答えよ。
 (1) p_np_{n+1} の漸化式を求めよ。
 (2) p_n を求めよ。




1. 状態は2つしかない!

 今の例題の場合、何秒後でも状態は2つしかない。

  • 点が頂点Aにいるか
  • 点が頂点Aにいないか

したがって、n 秒後の状態は、

  • 点が頂点Aにいる確率 p_n
  • 点が頂点Aにいない確率 1-p_n

である。確率は足して1になっている。



2. 漸化式をつくる

 n 秒後 と n+1 秒後にどうなっているか?下のような図が描くのが良いでしょう。

状態の遷移の様子

矢印の意味は下の通り。

  • 0: n のときに 頂点A にいる場合は n+1 のときには B,C,D のいずれかに移る
  • 1/3: n のときに 頂点A にいない場合は n+1 のときに A に 1/3 の確率で移る

解答用紙に絵を描く場合は、下の簡略した絵で良い。

簡単にした図

この絵から漸化式が作れる。

    \begin{eqnarray*} p_{n+1}&=&0\cdot p_n + \frac{1}{3}\cdot\left(1-p_n\right) \\ \\ p_{n+1}&=& -\frac{1}{3}p_n + \frac{1}{3} \quad \blacksquare \end{eqnarray*}

これが例題(1)の答えになる。



3. 漸化式を解く

 漸化式の特性方程式を作る。p_{n+1}p_nx と置いた方程式を解く。

    \begin{eqnarray*} x&=&-\frac{1}{3}x+\frac{1}{3} \\ \\ \frac{4}{3}x&=&\frac{1}{3} \\ \\ \therefore\quad x&=&\textcolor{red}{\frac{1}{4}} \end{eqnarray*}

したがって、漸化式は下のように変形できる。このとき、展開して元に戻るかどうかをチェックする癖をつけると計算ミスが減る。

    \begin{eqnarray*} p_{n+1}-\textcolor{red}{\frac{1}{4}}=  -\frac{1}{3}\left(p_n -\textcolor{red}{\frac{1}{4}}\right) \end{eqnarray*}

 これは、数列 \{p_n - \frac{1}{4} \}公比 -1/3 の等比数列になっていることを表している。q_n=p_n - \frac{1}{4} とおくと見やすくなるかもしれない。

 等比数列を解く:

 公式を使わない方法で解く。これは n の数字をどんどん減らしていけば良い。以下、色付きの部分に注目してほしい。

    \begin{eqnarray*} p_{n}-\frac{1}{4}&=&  -\frac{1}{3}\textcolor{red}{\left(p_{n-1} -\frac{1}{4}\right)} \\ \\ &=& -\frac{1}{3}\, \textcolor{red}{\left[-\frac{1}{3}\left(p_{n-2} -\frac{1}{4}\right)\right]}\\ \\ &=& \left(-\frac{1}{3}\right)^2\, \textcolor{blue}{\left(p_{n-2} -\frac{1}{4}\right)} \\ \\ &=& \left(-\frac{1}{3}\right)^2\, \textcolor{blue}{\left[-\frac{1}{3}\left(p_{n-3} -\frac{1}{4}\right)\right]} \\ \\ &=&\cdots  \\ \\ &=& \left(-\frac{1}{3}\right)^n\, \left(p_0 -\frac{1}{4}\right) \end{eqnarray*}


\left(-\frac{1}{3}\right)^n\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1} か迷う方は下の図のように求めればよい(等比数列の一般項を求めるコツ)。


p_n を求める:

 初期状態(0秒の時)は点は頂点 A にいるため、p_0=1 である。

    \begin{eqnarray*} p_{n}-\frac{1}{4} &=& \left(-\frac{1}{3}\right)^n\cdot \left(1 -\frac{1}{4}\right) \\ \\ \therefore \quad p_n&=& \frac{1}{4}+\frac{3}{4}\left(-\frac{1}{3}\right)^n \quad \blacksquare \\ \\ \left(\,p_n&=& \frac{1}{4}-\frac{1}{4}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1}\right) \end{eqnarray*}

 p_n が求められたら p_0=1, p_1=0 を確認すると計算ミスが防げる。ここで p_1=0 の意味は、はじめAにいる状態から1秒後にはB,C,Dのいずれかに点が移動するために確率が0になっているということである。



4. まとめ

 絵を描いて確率漸化式を細かく見てきた。

  • 漸化式の作り方(絵の描き方)
  • 計算ミスを防ぐコツ
  • 特性方程式を用いた漸化式の変形
  • 等比数列の解き方

これらが理解できれば、確率漸化式のどの問題でも対応できる(大学入試レベル)。




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