重要な導関数のラプラス変換は以下である。これを導出する。
導関数のラプラス変換
1. 導出
念の為、 ラプラス変換の形を示す。
ラプラス変換
1次導関数のラプラス変換
のラプラス変換:
ポイントは以下の通り:
- 部分積分する
- の収束(以下)
で収束するように をとった。
2次導関数のラプラス変換
上の式(*) において、, と置き換えればよい。あるいは、部分積分を2回してもできる。
ポイントは以下の通り:
- 1次導関数の結果を利用
ラプラス変換によって微分方程式を解くときにはだいだい2階の導関数のラプラス変換まで必要になる。物理には2階の微分方程式が多い。
n次導関数のラプラス変換
導出には帰納法を用いる。
【証明】
とする。 番目については と置いて、
よって のときも成立。 のときはすでに示した。
したがって、
は で成立する。
ポイントは以下の通り:
- 帰納法を使う
- と置く
- 1次導関数のラプラス変換を利用
2. まとめ
導関数のラプラス変換は、「部分積分」と「前の結果を利用(帰納法)」で導出は簡単にできる。ここで扱ったラプラス変換は微分方程式を解くときによくでてくるので覚えておきたい。