【高校数学】面積を求める:1/6公式、1/12公式、1/30公式などパターンまとめ


 1/6公式、1/12公式などパターンをまとめた。大学入試でよく使った公式である。導出は数学Ⅲの部分積分を使わず、すべて数学Ⅱの積分レベルで工夫した。

(追い詰められた人向けの格言:面積を求める穴埋め問題なら、全部 絶対値つけて正にしてしまえばよい。)



1. 導出のために知っておきたいこと

 2つのことだけ押さえておけば、面積の公式は導くことができる。

方程式と交点の対応

 中学数学では直線と直線の交点の座標を求めるときに、方程式を解いて求めていたと思う。同じようにして、放物線(2次関数)と直線(1次関数)の交点の座標を求めたければ、方程式を解けば良い。以下の簡単な例題で学ぶ。

例題

放物線 y=x^2 -2x +1 と 直線 y=2x-2 の交点を求めよ。

 図は以下の通りである。交点とは2つの式を満たす座標 (x,y) のことであるので、連立方程式を解けばよかった。

 連立方程式を解けば、2つの座標 (x,y)=(1,0),\,(3,4) が求めることができる。

いま、f(x)(直線の式)-(放物線の式)としてみる。そうすると f(x) は以下のように、2つの交点の x 座標を因数にもつ形に必ず因数分解できる。

    \begin{eqnarray*} f(x)&=&(2x-2)-(x^2-2x+1)\\ &=&2x-2-x^2+2x-1\\&=&-(x^2-4x+3)\\ &=&-(x-1)(x-3) \end{eqnarray*}

 これは非常に重要な結果である。これは直線と放物線の関係に限ったことではない。直線と3次関数の場合でも同様に、交点が3つあれば、それぞれの交点の x 座標を \alpha,\beta,\gamma として、

    \begin{eqnarray*} (x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma) \end{eqnarray*}

の因数を持った関数で表すことができる。

大事な点をまとめておく。曲線は直線、放物線などを表す。

  • f(x) を(曲線Aを表す式)-(曲線Bを表す式)とすると、f(x) は2つの曲線 A,B の交点を因数にもつ形に因数分解できる
  • f(x) の最高次の符号に注意する(2.1以降の例で確認)。


公式を導くのに必要な積分のテクニック

 1/6公式などを導くために必要な積分テクニックを書いておく。

    \begin{eqnarray*} \int (x-a)^2 \,dx = \frac{1}{3}(x-a)^3 + C \end{eqnarray*}

C は積分定数である。この積分のポイントは (x-a)^2 をあたかも以下のような x^2 の積分のように扱うことである。

    \begin{eqnarray*} \int x^2 \, dx = \frac{1}{3}x^3 + C \end{eqnarray*}

 (x-a)^2 を展開して積分しても良いが、手間がかかるのでまとめて積分するのが良い。これは (x-a)^3(x-a)^n でも同じようにできる。

    \begin{eqnarray*} \int (x-a)^3 \,dx = \frac{1}{4}(x-a)^4 + C \end{eqnarray*}



2. 積分公式パターン

1/6公式(2次−1次型)

 定番の1/6公式である。2次関数 y=f(x) と1次関数 y=g(x) の場合を考える。係数は適当にa,b,c,d,e としている(a\neq 0,d\neq 0)。

    \begin{eqnarray*} f(x)&=&ax^2+bx+c \\ g(x)&=&dx+e \end{eqnarray*}

 図は下のようになる。交点の x 座標を小さい方から \alpha,\beta とした。

 面積 S を求めよう。面積は(上の関数)-(下の関数)を \alpha から \beta まで積分すれば良い。この図では上の関数は g(x) 、下の関数は f(x) である。したがって、面積は

    \begin{eqnarray*} S&=&\int_{\alpha}^{\beta} g(x)-f(x) \,dx \\ \\ &=&\int_{\alpha}^{\beta} (dx+e) - (ax^2+bx+c)\\ &=&\int_{\alpha}^{\beta} -ax^2 + (d-b)x + (e-c) \, dx \end{eqnarray*}

 ここで、1.1での内容を思い出してほしい。交点の x 座標が \alpha,\beta であるので、被積分関数は (x-\alpha)(x-\beta) を必ず因数にもつ。ただし、今の場合は、x^2 の係数(-a)はそのままになることに注意する。

    \begin{eqnarray*} S&=&\int_{\alpha}^{\beta} -a(x-\alpha)(x-\beta) \, dx \end{eqnarray*}

 この積分は、数学Ⅲであれば部分積分を実行すれば良いが、ここでは数学Ⅱの範囲で工夫する。うまい変形をしよう。-\beta+\beta(=0) をはさみ込む。

    \begin{eqnarray*} S&=&\int_{\alpha}^{\beta} -a(x-\alpha)(x-\beta) \, dx \\ \\ &=&\int_{\alpha}^{\beta} -a\left\{\textcolor{red}{(x-\beta)-(\alpha-\beta)}\right\}(x-\beta) \,dx \\ \\ &=&\int_{\alpha}^{\beta} -a(x-\beta)^2+a(\alpha-\beta)(x-\beta) \,dx \\ \\ &=&\int_{\alpha}^{\beta} -a(x-\beta)^2\,dx +a(\alpha-\beta) \int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta) \,dx \\ \\ &=& -a\left[\frac{1}{3}(x-\beta)^3\right]_{\alpha}^{\beta} +a(\alpha-\beta) \left[\frac{1}{2}(x-\beta)^2\right]_{\alpha}^{\beta} \\ \\ &=& -\frac{a}{3}(\alpha-\beta)^3+\frac{a}{2}(\alpha-\beta)^3 \\ \\ &=& \frac{a}{6}(\beta-\alpha)^3 \quad \blacksquare \end{eqnarray*}

この計算のコツは以下の3点である。

  • (x-\alpha)=\textcolor{red}{(x-\beta)-(\alpha-\beta)} の変形
  • (x-\alpha)^2 の積分(1.2参考)
  • 2次の係数(ここでは -a)に注意

 ここでは2次の係数について a>0 であるため、S>0 である。これは放物線が下に凸になっているためである。放物線が上に凸の場合(a<0)、面積の計算は、(放物線の式)-(直線の式)を被積分関数とすれば正しい符号で面積が導ける(S>0)。

 このような符号を考えるのが面倒で、公式化してしまえ!ってなったのが、絶対値付き |a| の1/6公式である。

1/6公式

二次関数と直線で囲まれた領域の面積 S は、二次関数と直線の2つの交点のx座標を\alpha,\beta(>\alpha) とすると、

    \begin{eqnarray*}S=\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3\end{eqnarray}

ここで、a は二次関数の x^2 の係数である。

 なぜ絶対値が必要になったか?いまいちど考えてみてほしい。ヒントは(上の関数)-(下の関数)で積分すれば必ずプラスになるということ。



1/6公式(2次−2次型①)

 上に凸の放物線と下に凸の放物線で囲まれた領域の面積 S を求めよう。

 図のように交点の x 座標を x=\alpha,\beta とする。この面積を求めるときも、(上の関数 f(x))-(下の関数 g(x))とすればよい。

 関数の差を計算すれば、因数として (x-\alpha)(x-\beta) が出てくる。このとき x^2 の係数に注意する。もともと2つの関数が2次関数なので、差をとった関数の x^2 の係数は、

f(x)x^2 の係数(>0))-(g(x)x^2 の係数(<0))

でプラスになる。この2次の係数の差を a' と置いてしまえば、そのまんま「直線と放物線で囲まれた面積」の1/6公式が使える。ここでは、絶対値をとったバージョンで書いておく。

1/6公式(上に凸・下に凸)

上に凸の二次関数と下に凸の二次関数で囲まれた領域の面積 S は、それぞれの2次関数における2つの交点のx座標を\alpha,\beta(>\alpha) とすると、

    \begin{eqnarray*}S=\frac{|a'|}{6}(\beta-\alpha)^3\end{eqnarray}

ここで、a' は2つ二次関数における x^2 の係数の差である。



1/6公式(2次−2次型②)

 同じく2つの放物線で囲まれた面積である。ここでは、両方とも上に凸の場合を考えている。

 ただし、2次の係数が同じ場合は囲まれた領域は存在しない(1次方程式の解が1個になる)ので、ここでは2次の係数が異なる2つの2次関数を考えている。

 ここまで見てきたように(上の関数 f(x))-(下の関数 g(x))とすると、因数として (x-\alpha)(x-\beta) が出てくる。

 したがって、「上に凸の放物線と下に凸の放物線で囲まれた面積」と同じ公式が使える。2次関数-2次関数型を一般化して書いておく。

1/6公式(2つの二次関数)

x^2の係数が異なる2つの二次関数で囲まれた領域の面積 S は、それぞれの二次関数における2つの交点のx座標を\alpha,\beta(>\alpha) とすると、

    \begin{eqnarray*}S=\frac{|a'|}{6}(\beta-\alpha)^3\end{eqnarray}

ここで、a' は2つ二次関数における x^2 の係数の差である。



1/12公式(3次-1次(接線)型)

 三次関数と一次関数(接線)で囲まれた領域の面積 S を計算する。

 このパターンのポイントは以下である。

  • 三次方程式なので交点が3つなら (x-\alpha)(x-\beta)(x-\gamma)=0
  • 「接する」=「方程式の解は重解\betaは重解)」
  • x=\beta が重解であれば、因数は (x-\beta)^2=(x-\beta)(x-\beta)

 面積 S を計算する。(上の式 g(x))-(下の式 f(x))で計算する。3次関数の x^3 の係数を a<0 とする。

    \begin{eqnarray*} S&=& \int_{\alpha}^{\beta} g(x)-f(x) \,dx \\ \\ &=& \int_{\alpha}^{\beta} -a(x-\alpha)(x-\beta)^2 \,dx \\ \\ &=& \int_{\alpha}^{\beta} -a\left\{(x-\beta)-(\alpha-\beta)\right\}(x-\beta)^2 \,dx \\ \\ &=& -a\int_{\alpha}^{\beta} (x-\beta)^3\, dx +a(\alpha-\beta)\int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta)^2 \,dx \\ \\ &=& -a\left[\frac{1}{4}(x-\beta)^4\right]_{\alpha}^{\beta} +a\left[\frac{1}{3}(x-\beta)^3\right]_{\alpha}^{\beta}\\ \\ &=& \frac{a}{4}(\alpha-\beta)^4 -\frac{a}{3}(\alpha-\beta)^4\\ \\ &=& \frac{-a}{12}(\beta-\alpha)^4 \quad (\because \,(\beta-\alpha)^4=(\alpha-\beta)^4)\quad \blacksquare \end{eqnarray*}

 いま、a<0 としているため、S>0 で出てきている。(上の式 g(x))-(下の式 f(x))で丁寧に計算しているため、面積は正ででてきた。

 1/6公式を導いたときと同様に再度、計算のコツをまとめておく。

  • (x-\alpha)=(x-\beta)-(\alpha-\beta) の変形
  • (x-\alpha)^3 の積分(1.2参考)
  • 3次の係数(ここでは -a)に注意

1/12公式をまとめておく。

1/12公式

三次関数と直線(その三次関数の接線)で囲まれた領域の面積 S は、三次関数と接線の接点(x=\beta)以外のもう1つの交点のx座標を\alpha とすると、

    \begin{eqnarray*}S=\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^4\end{eqnarray}

ここで、a は二次関数の x^3 の係数である。



1/3公式(2次-1次 接線+端区切り型)

 図のように放物線の接線と x 軸に垂直な直線 x=\gamma で囲まれた領域の面積を求めよう。

 直線が接線なので、(x-\alpha)^2 を因数にもつ。以下に注意する。

  • 二次関数の x^2 の係数は a>0
  • 積分区間は \alpha\rightarrow\gamma

    \begin{eqnarray*} S&=&\int_{\alpha}^{\gamma} a(x-\alpha)^2 \, dx \\ \\ &=& \frac{a}{3}\left[(x-\alpha)^3 \right]_{\alpha}^{\gamma} \\ \\ &=& \frac{a}{3}(\gamma-\alpha)^3\quad \blacksquare \end{eqnarray*}

a>0\alpha<\gamma より S>0 である。

\gamma<\alpha も適用できるように、全部絶対値つけて公式化してしまう。

1/3公式

二次関数の x=\alpha における接線、および x=\gamma で囲まれる領域の面積 S は、

    \begin{eqnarray*}\frac{|a|}{3}|(\gamma-\alpha)^3|\end{eqnarray*}

で表すことができる。



1/12公式(2次-1次-1次型)

 よくある放物線と2つの接線で囲まれる領域の面積を求めたい。

このパターンでは \gamma は計算できる。\gamma=\frac{\beta+\alpha}{2} となる(\alpha\beta の中点)。

 それぞれ、2つの領域(オレンジ四角・青四角)に分けた面積を足し合わせる。注意点は以下の通り。

  • それぞれの領域について 1/3公式 が使える
  • \alpha<\gamma=\frac{\alpha+\beta}{2}<\beta
  • 二次関数の x^2 の係数は a>0

面積を計算する。

    \begin{eqnarray*} S&=&\frac{|a|}{3}\left|\left(\frac{\beta+\alpha}{2}-\alpha\right)^3\right|+\frac{|a|}{3}\left|\left(\beta-\frac{\beta+\alpha}{2}\right)^3\right| \\ \\ &=& \frac{2a}{3}\left(\frac{\beta-\alpha}{2}\right)^3\\ \\ &=& \frac{a}{12}(\beta-\alpha)^3\quad \blacksquare \end{eqnarray*}

 これもまた 1/12 公式である。

1/12公式

二次関数と x=\alpha,\beta(>\alpha) における2つ接線で囲まれる領域の面積 S は、

    \begin{eqnarray*}\frac{|a|}{12}(\beta-\alpha)^3\end{eqnarray*}

で表すことができる。



1/30公式(4次-1次型)

 4次関数と1次関数で囲まれた領域の面積。4次関数は大学入試では滅多に出ない。

 \alpha,\beta はそれぞれ重解である。

    \begin{eqnarray*} S&=&a\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^2(x-\beta)^2 \, dx \\ \\ &=& a\int_{\alpha}^{\beta}\left\{(x-\beta)-(\alpha-\beta)\right\}^2 (x-\beta)^2 \,dx \\ \\ &=& +a\int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta)^4 \,dx\\ &&-2a(\alpha-\beta)\int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta)^3 \,dx \\ &&+a(\alpha-\beta)^2\int_{\alpha}^{\beta}(x-\beta)^2 \,dx\\ \\ &=& \left(-\frac{a}{5}+\frac{2a}{4}-\frac{a}{3}\right) (\alpha-\beta)^5 \\ \\ &=& \frac{a}{30}(\beta-\alpha)^5 \quad \blacksquare \end{eqnarray*}

 1/30公式ができる。

1/12公式

四次関数と x=\alpha,\beta(>\alpha) の2点で接する接線とで囲まれる領域の面積 S は、

    \begin{eqnarray*}\frac{|a|}{30}(\beta-\alpha)^5\end{eqnarray*}

で表すことができる。



その他の類似型

  • 左図:三次関数と二次関数は 1/12公式
  • 右図:四次関数と二次関数は 1/30公式

など、最高次の関数に注意すれば良い。



おまけ:三次関数を直線で分割した領域

 おまけとして、以下の S_1S_2 の面積のを求めたい。

計算したら計算量が多かったので別に用意した。



やってみた結果、これは公式化すべきものではない、と気づいた。ちなみに2つの領域の面積が同じになるときには、直線 g(x) は3次関数の変曲点を通る。


3. まとめ

 どの公式も積分を工夫すれば容易に導くことができる(高校数学レベル)。より高次の関数の面積を求める場合は、ベータ関数を使うなどする(大学数学レベル)。

 念の為、「面積を求める穴埋め問題なら、全部 絶対値つけて正にしてしまえばよい」は本当に追い詰められた人しか認められない。圧倒的な思考停止。検算する機会をも奪う悪行である。ちゃんと符号考えて、式を立てたほうが絶対に良い。



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