この記事では、外積の成分計算が不安な方を対象としている。計算をよく間違える方はここにある方法で計算するといいと思う。主にベクトル計算の初心者を対象とするので、外積の応用などについては踏み入らない。
1. 外積
外積はベクトル解析で頻繁に現れる。また、ベクトル同士の内積はスカラー量を与えるが、ベクトル同士の外積はベクトル量を与える。
1.1 定義
外積の計算は以下の通り。
外積の成分計算
3次元ベクトル
の外積は、
具体例を見るとわかりやすい。
1.2 計算のコツ
外積・内積の計算は縦ベクトルで書くと間違いにくい。掛け合わせるべき数字が隣にあると、視覚的に間違えにくいからである。
例題
について、外積 を求めよ。
与えられた2つのベクトルを書く。そして図のように書く。
STEP①:同じベクトルの数字をすぐ下に書く。
STEP②:一番下の行は使わないので消す。
STEP③:の成分を1個ずつ計算していく。
1行目の成分:
手順は、
- 使わない1行目を指で隠す(図では灰色線で消している)
- クロスに掛け合わせる。赤色はプラス、緑はマイナスで足す。
だけである。
2行目の成分:
同様の手順で計算できる。
- 使わない2行目を指で隠す(図では灰色線で消している)
- クロスに掛け合わせる。赤色はプラス、緑はマイナスで足す。
ポイント
下に数字を書き加えてあるので、手順2の掛け算がやりやすくなっている。
3行目の成分:
同じように計算する。
同様。
- 使わない3行目を指で隠す(図では灰色線で消している)
- クロスに掛け合わせる。赤色はプラス、緑はマイナスで足す。
1.3 解答
2. まとめ
縦ベクトルを使うと間違えにくい。さらに、下に数字を書き加えたことで2行目、3行目を1行目と同じ要領で計算することができる。計算に慣れてきたら、数字を付け足さなくても計算できるようになる。
付け加えた数字は、自転車における補助輪のようなものである。