半導体は金属と異なる電気伝導性を示す。ここでは温度によって半導体の電気伝導度がどのように変わるか与えられた式で、計算してみようと思う。よく知られているように、半導体の電気伝導度は半導体のエネルギーギャップ
をによって与えられる。
半導体の電気伝導度の温度依存性
ここで、はボルツマン定数
[J/K]である。普通、
の単位は[eV]で与えられるので、ここでは[J/K]単位の
を電気素量
で除した、[eV/K]の単位で表したボルツマン定数
を用いるのが良い。
式(*)は両辺の自然対数を取ると、
となる。実験的に測定できるのは温度と電気伝導度
であり、(1)における未知数は
と
の2つである。
たとえば、2つの温度で測定した結果が、温度において
、温度
において
であったとする。そのとき式(1)は、
の2つの連立方程式になる。式(3)式(2)をすると
が消えて、
となる。式(4)を用いることで2つの結果からの値を計算することができる。
が求まれば、式(2)か式(3)へ
を代入することで、
を得る。式(4)をもう少し計算して、
を式(2)へ代入して、
である。2つの結果をまとめておく。
実際の実験では2回の測定で物性値を得るなんてことはない。計算式としてバンドギャップや電気伝導度になれるために上記の計算を行うことがある。