の行列
について、
の固有値を
(i=1, 2, …, n)とすると
が成立することを示す。(tr()=tr(
)は使わない。)
この式は行列のトレースと固有値を結ぶ関係式となっている。
まず
固有多項式
は、 とおける。
実際に係数を求めてみる。すなわち
の係数を求める。
はじめに、行列式の第1列に対する余因子展開を考える。
余因子展開により行列の行列式が、
行列の行列式の和で表された。
第2項以下について行列式のは次数は高々(n-2)次である。
つまり、第1項からのみが現れる。
具体的には、 からのみ現れ、
(1)
と表される。
一方で、固有多項式は、
なので、
(2)
となる。
(1)(2)より が証明された。